スタッフの仁井本です。
今回は、セッションの中で実際に起こったことを基に、お話したいと思います。
その日はジュニアアスリートに、中距離走(400m)2本を実施しました。
1本目が終わった後に2本目の目標タイムを設定する際、指導していた選手の一人が、1本目より3秒遅いタイムを2本目に提示してきました。
「1本目が終了してから身体が疲れている」ことが理由でした。
結果としては1本目より5秒速いタイムを計測しました。
選手に感想を聞いたところ、「もっと出来そうだった、次回は目標の時点から速いタイムを出す」として話を引き出しました。
自分で決めてやることで、本心が出た瞬間でした。
指導をするうえでありがちなのが、1~10まですべてを指導者が決めてしまうことです。
前職が書類作成の多い仕事だったのですが、後輩の作成した書類をチェックするだけでなく、文面を自分で手直しをしていました。
当時の自分は、書き方の一例として文章を見せることで、一つの回答を学んでもらうことを目的にしていました。
結果として後輩は、一人で文章を仕上げる力を、身に着けられないままとなってしまいました。
当時の自分がすべきだったのは、最後まで後輩に資料を作らせることでした。
資料に締め切りはありましたが、待てる範囲の中で辛抱強く待ち、
本人に回答を出させる ことが、
当時の自分には必要でした。
今の私の課題は、選手の本心をどう引き出すかにあります。
そのためには、選手自身の言葉を引き出す必要があり、選手の感情をどう揺さぶるのかを考えておく必要があります。
今回は経験をさせることで、本心を引き出せた様にも思いますが、
もっとやりようはあるのかもしれないですし、今回出たのが本心ではないのかもしれません。
気づきが生まれたと同時に、今後もますます精進が必要だと感じた一コマでした。
今後、サラリーマン時代の経験等も結び付けながらお話しできればと思います。
宜しくお願い致します。